令和5年第一回Cherishの会セミナー報告・新役員のお知らせ
小牧市民病院 安井真由美
セミナー報告の前に、今期のCherishの会についてお話させて頂きます。私は6年間代表を務めさせて頂きましたが今期で降りることとなりました。今まで不甲斐ない点も多々あったかと思いますが、一生懸命その職を邁進してまいりました。今までありがとうございました。今後は委員に残りサポートをさせて頂きます。
そして新組織が誕生しました。今期の代表は、安城更生病院:吉田なお子会員、副代表に小牧市民病院:磯谷直子会員と成田記念病院:村田朱会員で、全委員は12名で構成されています。新規委員は4名の入れ替わりがありました。委員選出には、各地区の理事にお願いし、構成しています。メンバー編成や、代表の入れ替わりもありますが、頑張って行きますので見守って頂きたいと思っています。
Cherishの会は、2016年に発足し、女性部会として色々な事に取り組んできました。愛知県診療放射線技師会の組織規定には「日本診療放射線技師会業務改善推進委員会の一環を担い、女性活躍推進活動と呼応し、女性活躍推進の支援に努めるとともに、診療放射線技師の情報交換を通し、広義で職場環境を整え、働き方改革の推進にも寄与することを目的とする。」とあり、規定に沿って活動をしてきました。特に働き方改革についての講演は6回程取り上げており、女性が働く社会、皆が理解し合って働きやすい社会を作っていくにはどうしたら良いかを考え、社会動向の変化も考慮しながら、その時々に応じた知りたい講演をテーマに行ってきました。
令和5年度第一回セミナーは、この数年でクローズアップされ、取り沙汰されているダイバーシティ(多様性)についてのご講演をお願い致しました。
第一講演は、トヨタ記念病院 放射線科 大橋洋一会員から、「多様な人材の活躍推進 ‐トヨタが取り組むダイバーシティ&インクルージョン‐」と題して、ダイバーシティ(多様性)の種類と分類から始まりました。統計学的多様性:性別・人種・年齢・信仰の違い。認知的多様性:ぱっと見ただけでは分からない個々の物の見方や考え方・集団には同質化しようとする力が備わっている。表層的多様性、深層的多様性、先天的な多様性、後天的な多様性、自分自身の内なる多様性、異なる他者が持つ多様性等、様々な分類がある事を教わりました。多様性を認め活用する考え方を受け入れて活かす、まさにインクルージョン(違いにとらわれず、お互いを尊重して活かし合っている状態)の教えを頂きました。全体の意識改革、環境整備が必要なこと、社風・文化・風土の推進がとても大切だとお聞きしました。最後には、トヨタ記念病院放射線科の現状と課題もお聞き出来ました。質問も多く飛び交い、病院勤務、診療放射線技師ならではの課題も多い事が分かりました。
第二は、岐阜県総合医療センター 中央放射線部 太田三恵子会員から、「放射線技師にできる多様性の働き方、 施設の取り組み」をお聞きしました。日本核医学技術学会の女性会員の例や太田先生所属の施設を例に挙げてご説明を頂きました。施設内のアンケートでダイバーシティという言語や認知度、ダイバーシティが指していることとは何かを問いて報告してくださいました。放射線技師におけるダイバーシティの中には、仕事が大切・プライベートが大切、多彩な職務経験・単調な職務経験、大学院・専門学校、役職やリーダー・一般職員、向上心や探求心・堕落心、など多様化していることが分かりました。その中で出来る事とは、「働きやすい環境づくり・スキルを身に付けやすい環境づくり・能力を活かす環境づくり」であることをお聞きしました。施設内ですごく細やかに考えられ活かされていることが分かりました。最後に、私達放射線技師それぞれに個性があり,ひとりひとりの個性を放射線技師のあるべき姿に育てあげるよう常に努力することが必要と言うこと、マネージメントする立場では、個々を活かす環境を整えることが必要と言うことを教わりました。
今講演を引き受けて下さいました「トヨタ記念病院 放射線科 大橋洋一会員」「岐阜県総合医療センター 中央放射線部 太田三恵子会員」ありがとうございました。